いよいよZ80の話。昭和60年代始めに相原隆文氏が著した「初歩のディジタル回路・Z80実用マイコン製作」シリーズ全5冊(技術評論社)では、メモリアクセス、割り込み、7セグLEDのアクティブ点灯、外部I/Oなど当時の8ビットマイコンCPUの周りで実際に何が行われているのかを、手を動かしてボードを製作しながら実体験で知ることができた。
とても印象深く、分かりやすく、ためになる本の筆頭で、ここで紹介されている「Babbage 1号」や「Babbage 2号」を作ることから、マイコン関連のハード製作の世界に足を踏み入れた方も多いと聞く。
シリーズの方は現在、版が途切れてしまっているようだが、ごく最近までZ80コアのオンボードマイコン基板を用いた新版に刷新しつつ版を重ねていたことに、ちょっと驚き、またこれほどまでの情熱をかけてマイコン製作の記事を書いていらっしゃることに感謝しつつ、今回からのZ80マイコン Babbage 2号製作を始めることにする。
手元に部品もあらかた揃っているのに、一向に手が付いていなかった。入手難のSRAMもほど良い部品を手に入れていたし、Z80ファミリの石にしてもちょうど2台作れるだけ揃えてある。PICではメモリが頭打ちだし、TINY ASM内蔵のモニタソフトやCRTCのコントロールまで拡張しようとするのであれば、PIC+EEPROM+シリアルインターフェースではちょっと追いつかない気がしている。まあ理屈をいくら言おうと、何のことはない、温かみのあるTTLロジックで駆動するマイコンボードが弄りたいだけなんだけれど。
秋月電子で買える一番大きく頑丈な、ガラスエポキシ両面スルーホール基板に載せることを考えている。しばらく箱庭遊びをしたあと、暫定的に全部品が載るかどうかを見極めてみた。16進キーボードを外部接続にすれば、なんとかなりそうだ。見ての通りかなり狭いが、拡張の余地は左右端のコネクタピンヘッダへの接続に委ねるとして、この配置を第一候補と考えて回路図を起こし始めるとする。ああそういう意味では、製作というよりまだ検討開始段階かな。