X68000の電源修理ブーム(その2)

最近は手が止まっているX68000の電源修理だが、この間かなりしばらくぶりに初代を使ってみてFDDの反応がいまいちだったので危惧しているところ。

本体電源までお亡くなりになってしまうと、ストックしているITX用AC電源の出番となってしまう。
そこでまたまた作業が必要なのであればと思い、各所に上がっている情報ではあるが回路図についての備忘をまとめておく。

まずは、電源端子どうしのピン配置をチェック(新しいウィンドウで開きます)。
まずは電源端子をチェック

ATX電源は20ピン、または24ピンと配線数が多いので、12V、5V、GNDの複数ラインあるものは1本にまとめて縛ってハンダ付けと被覆をしてしまう。ATX延長ケーブルが500円程なのでそれを切って使っても良いし、前回作成した数台はATX電源基板という電源のON/OFFを単体でテストできる基板を利用した。
「アイネックス ATX電源検証ボード KM-02A」というのが写真でも判るかな?端子台のついた便利な規格だったが今は後継の簡易版である「アイネックス ATX電源検証ボード KM-02B」に代わっている。裏にビッチリと絶縁板が貼り込まれているのでちょっと手こずるかも。

X68000のパワースイッチをONに押し込んだ状態では、右側の黄色のラインに5Vが入力される。それを0V(GND)と同じレベルに変換するため、インバータという論理回路を組む必要がある(新しいウィンドウで開きます)。
次に簡単な論理回路作り

論理回路によってON/OFF反転させるには74LS04よりもオープンコレクタタイプの74LS05を使う方が良いと思われる。
STB_ON側からは4.7kΩを咬ませているとはいえ、5Vが常にかかっている。X68000側の5V常時通電側へどれだけ電流が流れているか判らない。
ATX電源のPS_ON側には電圧のレベルがGND相当か5V加印状態かを確認するために何らかの回路があるはずだが、それへ74LSロジックICを通して5Vの電源から止めどなく電流が流れ続けロジックICが加熱破壊される恐れがある。
LS05を使用するとTTLレベルでは5V(H)、0V(L)を示すが、回路構成全体ではロジックIC出力はハイインピーダンス状態で回路が保護されるため安全という訳。素人なりに考えたのだが間違ってたら指摘して下さい。

X68000の内蔵機器はシンプルなものでFDD×2台、HDD(もしあれば)×1台というもの(新しいウィンドウで開きます)。
最後にストレージを接続

12V、5Vの両方が必要なため、慎重に電圧を間違えないよう結線する。以前、中間結線に内蔵CDの音声ケーブルを流用したら、色が赤/黒2色しかなくて5Vに12Vを供給してしまった。一瞬でFDD基板上のフラットパッケージから煙と炎が発生してしまい、ドライブは駆動部分専用の部品取りになってしまったのだった (T_T)

X68000の電源修理ブーム

一年前(2006年)の冬から春にかけて、いろいろとノウハウがあってかなりのスキルを要するとその筋では評判の、X68000の電源修理:一気に3台をやっていた。X68000 SUPER、X68000 PRO2、X68000 XVIである。

一応、電解コンデンサやツェナーダイオードとか低電圧レギュレータとかを見よう見まねで交換するのだが、トランスがかなり傷んでいたり、全回路に渡って安定した電圧が出なかったりで(一部はちゃんと5Vや12Vが出る)未熟モノゆえ、1個の電源装置も直すに至らなかった。
回路図を追いながら、複雑な構造が結局理解できず数週間で諦め、その辺に転がっている普通のATX電源を繋ぐことに。

外付けでファンもうるさいが、とっても安定?。

電源ON/OFFは根性だめしシリーズに良くあるATX電源ON/OFF基板で、フロントスイッチが入ることでこの基板の電源制御ピンがグランドに落ちる様、74LS04で簡単な反転回路を追加してやるだけの簡単なものだ。
ところがしばらく使っていると、せっかくのキャリングハンドルがあるのに、ATX電源がぶらぶらするし置き場所に困るしでなんとかしたくなった。あと、300Wもの電源なんだが、電源の箱がX68000本体に近いとスピーカーからハム音がブーンとする。。。
簡単な解決策はすぐに思いついて、ITXと呼ばれる規格で箱物のサーバによく使われるACアダプタ型のATX電源に変えればよいかと。おそらくノイズも少ないし、容量も小さめなので環境にもやさしい?

1年以上前のマイブーム。X68KのACアダプタATX電源化

高速電脳で購入した、60W ACアダプタ+ATX基板で快調に動作した。あの頃の時代のX68000の場合、60W電源であれば、SCSI HDDを一台は余裕で内蔵できるようだ。68030は知らないが、元々の電源も40W後半から50W程度だったと思う。

内蔵HDDが入る場所が大きく空いているこのX68000 SUPERの場合、アクリル板で土台を作って適当に各基板を配置した。横型のX68000 PROは電源を取り外した枠のネジ穴が、丁度基板をセットするのに良い間隔だったため、絶縁をきちんとしただけでタイラップで括り付けるという横着ぶり。
X68000 SUPER HDの場合は、SCSI HDD内蔵のため、基板の配置を少し考えないととても狭い。この写真の青いのよりもうちょっと小さい基盤があるようなのでそちらを使うか、ATX電源ON/OFF基板と重なるような配置を考えないといけないようだ。
立て続けに3台を修理したので、オリジナル電源のX68000初代+電源修理完のX68000 SUPER HDと合わせて5台が現役になった。ときどきMDXを聴いたり、MUSIC PRO 68K [MIDI]でピアノ譜をさらえたりするのに使っている(って5台もいらんやん)。