S&Wコンバットマグナム(初期モデル編その3)

とりあえず直せたので、全体を眺めることに。M29 44マグナムと並べてみた。
同じLSのシリーズでもひと目で仕上げが違うことがまず見て取れる。M29のバレル・シリンダーはとんでもなく太いことや、6インチと6.5インチの差が分かる。M29は本物を忠実に模(かたどった)っているが、M19は本物の雰囲気を伝えようとしているように受け取れる。M19の方のトリガーガードの形状はMGCのそれに似て卵型の優しいカーブになっている。また、M19のトリガーは磨耗のせいか最初からなのか、ちょっと前進しすぎでイボイノシシの角みたいになっている。これだとシングルアクションでハンマーにひっかかってくれないので、すこしトリガーを引き気味にしてコックする必要がある。
(M29はもちろん4・6.5・8 3/8・12インチ全モデルあり、また改めてレストアの様子をレポートする予定だ)
同シリーズ後継と言っても良いだろうM29と比較

マルイの造るモデルガン M586(Lフレーム)とではそんなに大きさの違いはない。やっぱりトリガーガードの形状が違うのだな。

Kフレームと大差ないLフレームM586との比較

最もコンバットマグナムらしいのはこの面構えだ。サイトは分厚すぎるかも。バレルの肉厚が全くなく内側ががらんどうなのもこの頃から。マズル・クラウンの再現はなかなかのものだ。

ターゲットフロントサイトの威容
リアは完全ダミーのFIXと書いたが、ネジもこの通りモールド。ついでにハンマーのスパーも再現されていない。サイトラインの反射防止のグルーブはすこし目が荒いが一応きれいだ。

リアもターゲットサイトを模しているが調整機構は未再現

シリンダーのロック用の本来くぼみであるところが逆に一文字に出っ張っていて、すこし興醒め。金型で再現するのが難しかったのかな。代わりと言ってはなんだが、S&Wのトレードマークの方は凸型とは言え本家を再現しており宜しい。

メーカーロゴはきっちりとコピーされている。おおらかな時代で良かった

通常どおりスイングアウトできる。リム無しの共通カートがなんだか可笑しい。シリンダーハンドが金属性なのでよく遊んでシリンダー側が削られている。

スイングアウトで取り出したカートはもちろん例の共通カートだ

この角度で見るとMGCのコンバットマグナムによく似ている気がする。完全コピーではなく、ちゃんとプラ用にアレンジしてある。分解した図ではハンマースプリングが同じくコイルだったりして、安易にコピーだろうと言われるのは仕方がないところではあるが。件のハンマースプリングにはしっかりとしたストロークの長い物が使われているので、打撃力はかなりある。ハンマーダウンでもファイアリングピンはゲートから突き出さない。

コッキングの角度は大きくスプリングの反発力はちょっとした発火モデル並み

初期モデルというのがここまでもちゃんと作られているのにちょっと驚いた。結構遊べるんだ、これが。50年頃まではカタログにあったそうだが、実はそのころお目にかからなかった。気が付くとガバとかも有ったから少し後だったのかも。次は順当にもう1つの初期モデルであるP.38を見て行く。


カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ

S&Wコンバットマグナム(初期モデル編その2)

入手したS&Wコンバットマグナムをフィールドストリッピングしてみた。3.5inchモデルの取説が敷いてある。共通カート6発はピカピカだ。グリップスクリュウは真鍮釘からリプロした物。

表面仕上げはデジカメでも結構分かる位のかなり荒い梨地。丁寧に塗装がしてあり、シリンダーなども良く磨かれているようだ。SA時のハンマー側のノッチ(ハンマーの底部)に手直しがある。

アクションを確実にするコイルスプリングで、亜鉛メッキの金属製シリンダーハンドと相まって全体にモデルガン然としている。良く見ると通常のモデルガンをさらに簡略化していて、シリンダーストップのノッチは凸形状になっている。S&Wのロゴやマーキングも凸線だ。


内部はどこも傷んでいない。SA時のハンマー側のノッチに手直しがある

トリガーガード前部のシリンダーヨーク軸の収まる箇所のフレームが歪んで左右に開いていた。セメダイン接着剤ではどうしてもくっつかなかったようだ。接着部を細目ヤスリで平らに削ってアクリサンデーで密着させると難なく付いた。少しぐらい歪みがあってもアクリル接着剤ならABS部品同士がきれいに一体化してくれる。

シリンダーヨーク軸のハウジング部が歪んで開いていた

グリップのノッチが折れていたので、ピンを立てて補修。丁寧に製造されたようで、最古参にも関わらずエルエスのグリップにありがちな樹脂の流れ目に沿ってできる割れが全く出ていない。厚みも十分で重厚な印象。

グリップがずれないようにするノッチはグリップ側にあり、後のM29とは逆

内部の傷みもほとんどなく、作動自体は軽いがかなりルーズな感じ。オールプラ製でも強度を保つための工夫が随所にある。トリガーのシリンダーハンド軸が磨耗し過ぎていたので、ランナーを盛って掛かりを確実にした。

サイドプレートは2本のマイナス鍋皿ネジで止められている。リアサイトは実はFIXでウィンデージスクリュウに見えるのはその内の1本。MGCのM19の様なサイドプレートの上方のバグスクリュウは見当たらない。辰巳出版の名銃図鑑の分解写真と較べて見ると分かる通り、MGCの完全コピーではなく強度面・製作面のアレンジがある。思うに参考にしたという程度かも。


S&Wのダブルアクションシステムのシンプルさが良く分かる

きちんと動くようになったがガンガン遊ぶぞーとは言えないナァ。貴重な物なので。


カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ

S&Wコンバットマグナム(初期モデル編その1)

LSプラモガンの初期作として有名なのが初代ミニカタログの冒頭に掲載されているS&Wコンバットマグナムだ。
当のカタログによると800円シリーズでルガーP.08やワルサーP.38と同価格であり、後期の1,200円シリーズにあたる。
同じS&WのM29の場合はNフレームと呼ばれる巨大な図体のため子供の手にはとてもじゃないが大きすぎた。
だが、Kフレームのコンバットマグナムならなんとか片手で取り扱えただろうからラインナップとしては最適であったと思う。
何と言ってもルパン三世の相棒である次元大介の愛銃として有名だし、モデルガンとして何社からも文字通りモデルアップされていた。
ドーンと構えたマグナムフェイスはバイオレンス&アクション映画の1カットの様

ラインナップと言うと、コンバットマグナム以降はオートマチック銃ばかりがモデル化されており、リボルバーはコルト45 SAA/フロンティアまで待たないといけなかったりした。その意味でも人気のモデルであったであろう。
カタログ写真にもあるが、カートリッジはいわゆる共通カートで9mmパラベラムを思わせる形状の物。これならば、口径は.38に近い。ただしケース長はオートのそれであり不自然に短い。実物を見るまでは、このカートリッジはカタログ撮影の時にたまたま取り違えた物で初期とはいえリボルバーは別形状の(多分長めの)カートがあったのだろうと思い込んでいた。実際は後のSAAまでもが.45COLTじゃなくてこの共通カートを使用していたのでひっくり返ったものだ。まるでエンフィールドMk.IIかハーフムーンクリップを使うM1917の様だ。
それでも80年代にはとうに絶版だったということで私自身お目にかかったことのなかったモデルだけに、MGCのコピー物だという情報とかミニカタログの写真を見てコンバットマグナムへの思いを馳せていた。
3 1/2インチモデルの通常分解と6インチモデルの迫力あるプロフィールはお馴染みだが現物は謎だった

なんと!それが入手できた時の嬉しかったことといったら!
ということで、一応いじれるだけの形をなしたのがこれ。何箇所か接着し直して、グリップスクリュウを再生しただけで一応遊べるようになった。コルトパイソンは優美/エレガントと形容される。対してシンプルだが各部のバランスの取れたシルエットは機能に徹したもので質実剛健と呼ぶにふさわしい。
2枚目の写真でカタログのバックに置いた説明書によると、.357マグナム弾は「車のフェンダーやエンジンを通りピストンまで破裂させる威力を持っている。」ということで、KTWのテフロンコート弾か!という突っ込みを入れたくなるような貫通力だからして、まさにコンバットするためのマグナム銃だ。
なんと!そう、この荒削りの右サイドこそLS S&Wコンバットマグナム

Webでもなかなか詳しく紹介されていないS&Wコンバットマグナム 6インチのリアルな姿を見て行こうと思う。


カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ

レミントンダブルデリンジャー(500円シリーズレストア編その6)

完全に折れてしまったハンマーだが、小学生の時にせっかく買って作ったばかりのデリンジャーをパチッ、パチッとやって遊んでいるうちに突然ポッキリと折れてしまったとしたらやはりとても悲しかったに違いない。
別に空撃ちするのはLSプラモガンではフツーの遊び方なのだが、カートを入れずにハンマーを落とすとおそらくファイアリングピン部分がカート底部に当たらないためにハンマー上部の指掛け部分がリコイルシールドの裏側に激突して、その衝撃で折れ飛ぶ勢いがこのデリンジャーの場合はある。
困ったろうしもったいない話なので、既に完成品で入手したこのデリンジャーの場合、鉄製のピンを立てて接着と焼きつぶしで溶着した形跡がある。ただ意外と瞬間的な力が加わるのでそれでも十分な強度が保てなかったようだ。
ポッキリ折れているが前所有者の方がピンを立てて直していた

同様に今回もアクリサンデーだけでは接着力が不十分で、衝撃には全く効力がなかった。新品であっても元々強度が足らず折れてしまったと思われるからだ。
そこで、ゼムクリップを伸ばしたワイヤーを芯にして接合部に強度を持たせてやる。100均の細いピンバイスで3?4mmの深めの穴を接合部品の両者に真っ直ぐになるように開ける。
0.7?0.9mmのピンバイスで2箇所穴開けする

補強のゼムクリップはヤスリで削って表面のメッキを除き、瞬間接着剤が絡むように沢山の刻みを付ける。プラ同士の接着面にはアクリサンデーを流し込み一体化させる。
補強の骨になるピンはゼムクリップを利用

2本の1cm程度の骨が入っているのでかなりの強度が出たと思うが、ハンマースプリングはモデルガン並みの物が入っておりこのままでは残念ながら空撃ちは避けたい。
また、今回はハンマーヘッド内のファイアリングピンの修復は諦めているので、その抜けたところが寂しい。
問題なくコッキングできるしリリースのショックにも耐えた

修正後、正しくハンマー上部が真っ直ぐ上に突き出た状態をサイドから見る。塗装色だけはモデルガンっぽいがピントのずれたような甘いモールドと凸型の刻印がまるで典型的なトイガンだ。

入手時、既に完成品だったのだが貫禄のある塗装でモデルガンと区別がつかない

バレルロッキングのレバーとハンマー、トリガーすべてプラ製なのが目立つ。これら可動部品の質感を高めるにはどういう仕上げをすると良いのだろうか。

裏側はシンプルなプロフィールだ

上下2連のカートリムが覗く。共通カートはセンターファイアなのでちょっと興ざめか。エキストラクターがプラ版で補強してある。LSプラモガンでは通常あまりない物なのだが、火薬を使ったように錆びを吹いた跡がまるでモデルガンのようで可笑しい。

ブレイクオープンは独特のかっこ良さ

実はオリジナルに手を加えてモデルガン並みの手製のバレルインサートが入れられており、共通カートのブレット部を外したカートリッジしか長さの関係でロードできない。おそらくはカートに紙火薬を貼り付けるなどしてファイアリングを楽しんでいたらしい。
上部バレルには(ブレットを除いた)カートしか入らない

上部バレルのインサートはかなり錆び付いており、ブラシで掃除した後、またまたホルツのラストコートを吹いて、簡単に処理をしておいた。
上部バレルには手製のインサートが入り安全対策が万全な為だ

上部にも凸型でマーキングがある。多分、発火時の強度を保つためだろう、接着剤が大量に使われているがこれも当時作ったままなのでなかなか味がある。
上部にもモデル名のマーキングがモールドされている

さらに手を入れるとしたら、バレル部分だけ最中割りをして、インサートを元どおり除いたりライフリングを再現したりして調整する必要があるか。もちろんファイアリングピンもちゃんとリプロしてからだが。
ダブルデリンジャーはプラ弾が飛ぶのとか、バッカンナーみたいな発火可能なトイガンで良く遊んだのでエルエスのは見かけても買わなかったなあと思いつついじっていたのでした。

カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ

レミントンダブルデリンジャー(500円シリーズレストア編その5)

LSプラモガンの500円シリーズの最後の一つは言わずと知れたレミントンダブルデリンジャー(Remington Double Derringer) .41リムファイアなのだが、見たところ傷だらけなのを除けばいたって良い状態なんじゃないかな?
でもなんだかちょっと変だぞ。その答えは後で。
.41リムファイアのベストセラー・・・どこが変かわかるかな

完全分解してみた。部品点数は最低限で難なく分解できる。MGCの金属王冠モデルと似たようなEリングで止められたバレルロックピンが分かるだろうか。
高校生の時にハドソンのシルバーメッキ組立キットを作ったなあ。バレルが短いんで撃った時の音がこもらずむちゃくちゃでかかった。
コイルバネ類とエキストラクターを止めるネジが赤錆だらけになっている。原型は留めているのでサビを落としてそのまま使おう。

完全分解で金属部品のヘタリ様が分かる

ハンマーの上部内側の4つ爪のラッチの上の、猫の手のような形の半円形の部品が根元で折れている。手元にある未組み立て品のランナーから該当部品の形状を確認する。組み立て説明書のNo.(8)の部品だ。
実はこれがハンマーヘッド本体。ラッチが髭(ひげ)バネで送られて回転することで、上下2連の打撃位置が切り替わる。複雑な形状なので今回は再生を断念する。余裕ができ、材料が揃えばピューターあたりで鋳造したい。
未組み立て品でハンマー形状を確認

サビがひどいがネジ山や弾力性は失われていない。まずはワイヤーブラシで赤錆を落とす。
金属部品がまんべんなくサビ付いている

自動車補修用のホルツのラストコートスプレーを少量吹きかける。するとすぐに赤錆が黒く変色する。
ラストコートを吹きかける

一旦変色すればそこで赤錆の成長は抑えられる。なぜならスプレーに含まれるエマルジョン系の塗料の成分が空気・湿気を遮断するからだ。
赤錆が黒錆に変化した

さて、最初の左サイドの写真だが、そう、ハンマーの露出部の傾きが斜めすぎないか?ということで、実はポキリと折れてしまっていたというのが正解。
ちょっとしたモデルガン並のハンマースプリングがセットされていることと、ハンマーのトラベリング距離が大振りなためかなりの勢いで打ち付けられた(耐衝撃じゃないただのプラ製の)ハンマーヘッド部が折れるのは避け様がなさそう。
強力なハンマーSPのせいかこういうことになっていた

実は完全分解の写真の時は、安易にアクリサンデーで接着したのを写したのだが、その後数回空撃ちしたら見事に折れてしまった。
空撃ちに耐える程度の強度を保つように直すとしたらその手法やいかに。

カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ

COLT.25(500円シリーズレストア編その4)

結局プラリペアを使うことにした。使うのが久々なのと、天ぷら状態の補填は難しめなのでうまく型に合わせられず、適当に団子状態に盛り付ける。まあ後で削ればいいし・・・
久々にプラリペアを使う。型の位置はこれで合ってるのか?

ガーン。結構無理があった。というのは、この団扇形の部分はスライドを引くと奥のブリーチ部のストライカーのガイドレールが被さって来るのだが、その幅と高さがスライド後部の切り欠きの形状とは異なっていることに形を整え出してから気付いた。
なんか適当にスライドできるように合わせて行くと、なんだかひょろ長い蓋になった。まあ目的通り、ストライカースプリングがバショーンと飛び出さなくなったので良いか。
げげっ!これじゃつくしんぼ見たいだぞ

組み立て直したが、完成品に塗られていた色が、スライドはグロスブラック、フレームはパーカーライズがかった艶消しブラックでどうも印象に合わない。
そこでグリップを外し、キャロムのメタルブルーコートで全体を塗装してみた。ごく薄めに3度ほど重ね塗り。バレルとマガジンは塗らない。アクセントじゃなくて単なる手抜き・・・
刻印が全然雰囲気じゃないんだが、全体のプロポーションはなかなか良いと思う。トリガーやグリップも良く実物を模していると思ったが、グリップの跳ね馬のバックは大文字のCのレリーフになっていたのでは?

メゲずに色まで塗ってしまった

これで結構見られるようにはなった。写真はグレーだがもうちょっと青みがかっている。フラッシュを使っていないので、表面のツヤと反射は実際に近い。
真一文字の大きめのエキストラクターが右サイドを引き締めている。ピン抜き用の∩字溝は実物にはありません。念のため。
マガジンはツヤのある黒一色に塗られているが、どうも前の持ち主の方(=製作者)は筆塗りをされたのではないかと思われる。ほとんどムラがなくかなりの腕前だ。

メタルブルーコートなので写真よりもちょっと青い

マズルはもちろん筒抜けなのだが、外径が1cm弱でとても細身な華奢なもの。分かりにくいが、スライド上のセレーションの部分は別部品の板を接着するようになっている。
その先端にあるフロントサイトは、上に出っ張っておらず形を成していない。ほとんどただの模様。
バレルは筒抜けだがプラのせいもありとても華奢

プラ製ムクの.25 AUTOのダミー弾をマガジンから、1発チェンバーに装填した。金色に光っているのが分かる。
そういえば当時、リボルバー、オート、長物と10丁以上はLSプラモガンを作って遊んでいたが、遊ぶと言ってもダミー弾の装填と空撃ちと排莢、また装填とずっとそれだけをやるしかないことに気が付いた。
火薬で音が出る訳でもつづみ弾が飛ぶ訳でもないのに、実際そうやって繰り返してたなあ。パチンとストライカーを落とすと、弾が出た気になって、次はスタンダードブローバック動作(要するに手動排莢)。
LSプラモガンの場合、これがスムーズにできるようにいろいろと調整するのが遊びなのだ。
装填状態。絶対に撃発なんてしないのにワクワクした

さて、スライドをゆっくりと引くとエキストラクターに咥えられたカートがチェンバーから引き出され、デプレッサー(イジェクターのことを組立説明書にはこう書いてある)が底部をグイッと押し出すとポロッとイジェクションポートから蹴り出される。
デプレッサーの働きがよく分かる

やわなので一連の動きがかなりぎこちないが、なんとか動くようになった。ただし、スムーズになるまで調整することは全くもって困難と思われたので早々に次の銃に手を付けることにする。
次のは(そうです500円シリーズの最後のリムファイアのあれ)結構厳しいというか、ある意味笑える状態なのだが・・・

カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ

COLT.25(500円シリーズレストア編その3)

今度はもう一つのポケットオートであるコルト.25の場合だが、こちらは未組み立てが手元にあるので説明書を見ながら仕組みを確認できる。
また、バネなどの金属部品がオリジナルかどうかもチェックしてみた。ストライカーのバネは強力すぎると思ったのだが、これはオリジナルのまま。
このままだと、組み立て直したとしてもブリーチ部を壊してしまうんじゃないかな。そこで3mm外径の細身のステンレスバネに交換することにした。
組み立て済み完成品の現物の状態はと言うと、ブリーチブロックがの接着が外れており、ストライカーのシアがかかるノッチも折れてしまっていた。でもこれはアクリサンデーで接着すれば済むこと。
そうそう、未組み立てのキットの中を見て気づいたのだが、これら初期の500円シリーズ添付の接着剤はABS用ではなくただのスチロール用のハイジョインのようだ。
ということはABS用を使うと溶けすぎて曲がったり、溶けすぎることで「巣」ができてしまうんではと思う。

未組み立ても持っているのだがなんとしてもレストアしたい

さて、今回どうしても修正する必要があるのが、ワルサーモデル9の時と同じストライカーバネを受けるための鍵穴形の部分。
折れてしまっていたのを前の持ち主の方が、とても頑丈そうなスチールピンを立てて下さっていた。
さらにおそらくエポキシ系のパテでがっちりと固めてある。それを利用しない手はないんだが、後ろにぽっかりと穴が開くのもどうかと思い、きちんとふさぐことにする。

非常に丈夫そうなスチールピンが立ててある

今日のところはストライカーを直して、ブリーチブロックを取り付け直すが、さて、穴のふさぎ方はどうしたものか。
ところで組み立てキットと完成品を較べてみると、今回の写真では分かりづらいが、完成品は前の持ち主の方がきちんと半ツヤの黒(グロスブラック?)で丁寧に塗装してあってとても存在感がある。
小さいながらLSのプラモデルガンをきちんと表面処理して塗装することで実感が増すことが良く分かる例だ。

カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ

Walther Model.9(500円シリーズレストア編その2)

ワルサーモデル9のストライカースプリング受けの例の鍵穴状の部品がきっちりと固まったので、スライドの凹部に合わせて細目ヤスリで形を整える。
ツヤのある黒色で塗られているのでペイントマーカー極太の黒のペイント色でさっと塗り上げて継ぎ目・ヤスリ目を隠す。
スライド上部から覗く半円形の部品がシアなのだが、今のところこれがストライカー下部のノッチをキャッチできる位置にある訳でもなく、またトリガーを引いたところでうまく下がるように組まれていないのは問題だ。
まあ、それらしい外観かつスライドが引ける位のギミックでそこそこ楽しむのがLSプラモガンの正しい遊び方なのだと思って諦めてはいるが。
とりあえず部品は揃った

各部品を組み上げ、スライドをいっぱいに引くと、∩型のノッチ内にバレルロックピンの通る穴が見えるようになる。持っている手が痛いぞ。すかさずロックピンをセットすると、スライドを戻してもバレルが前方へ抜けなくなる。
バレルロックピンをセットできるまでスライドを引く

組みあがったのは長さ100mm・高さ70mm程のミニガンだ。これは実銃のサイズを忠実に再現している。カッティングシートの升目は50mm角なので良く分かると思う。
スライド左側の刻印は「Walther Patent Mod.9」と>WALTHER<バナーとなっている。トリガー後ろのセーフティのラッチは接着して固定されているが、その下にプルーフマーク?が再現されている。
左側の刻印を見る

スライド右側は「Mod.9」とシリアルNo.が。エキストラクタ?は厚みは薄いがなんと金属性でライブであり、ここだけでも実感がある。
フレーム後部の取って付けたような小さなセーフティのパーツは接着されている。本来はトリガーのすぐ後ろからグリップ内へトリガーバーが入り込んでいるはずだが何もない。これは、トリガーバーの金属版がコルト・ガバのそれのようにフレーム内を通っているため。
右側はモデル名とシリアル

スライドの曲線がアンティークな雰囲気を醸し出しているマズル部を見る。やはり何と言っても1900年初頭のデザインだ。LSスタンダードの筒抜けのバレルだが、聞くところによると松尾社のオリジナルの製品では、ストライカーのバネ力によって弾が発射可能だったらしい。ストライカーの前方、ファイアリングピン部分の構造を見るとなるほどと思う。
バレルはスライド上にちょこんと乗っている

バレル周りだが、ベレッタにも似ているようにも思われるがちょっと違ってスライドが覆うような構造は何もない。スライドはピン1本で根元を留められているだけだが、実銃の場合はどうやってフレームに留めてあったのだろうか。ひょっとするとおそらく直接ロウ付けのように思う。
小さいながらフロントサイトの見通しは割と良い方だろう。リアサイトまでのライン上は細かなセレーションによって反射防止になっているが、これもコルトポケットなどと同じような芸の細かさだ。ある意味、実を取るのが好きなドイツっぽくないと思うのだが。
大きくカットされたスライドトップとサイトラインのセレーション

スライドオープンすると、ぱっと見イジェクターらしきものがない。さらにスライドさせてみると・・・小さいのが右後ろにちょこんとあった。勢いよく引っぱったとしたら、イジェクト時にはストライカー内から延びるストライカーばねのガイドがイジェクターの働きをするようだ。
全長が短くアレンジされた.25AUTO弾が覗く

こうして見て来ると、ちゃんと設計はしたがあまりにもミニチュアサイズのために思い通りのギミックを組み込むことができなかった技術者の苦悩のような物が見え隠れする。
ただし、ストライカーのバネがそこそこ強く、ロック&リリースがちゃんと機能したとしたら先込めのブレットが勢い良く飛んだのではないかとも思われる。そう考え出すとLSよりも弾が飛ぶ旧版の玩具銃の方が面白かったなあ。お座敷プリンキングではなく探偵ごっこで銀玉鉄砲達と渡り合うとしたら、もうちょっと無理のないサイズと材質であればとも思った。

カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ

500円シリーズレストア編(その1)

初代LS P.38の載っているミニカタログは以前からLSプラモデルガン愛好家の方々のWebサイトや掲示板で見かけることもあるものだが、手元にあるそのカタログを見ていて沢山ある完成品から修復を始めようとした時に、「やっぱりこれから」と思っていたのがその中の「500円シリーズ」のラインアップに既に掲載されていたポケットタイプの物である。当時最も安かったということとスパイ物で超小型のピストルは人気があったことと思われる。なにしろ私にとってはワルサーモデル9は未見だったため興味があったということが大きい。
LSプラモガン レストア三昧の手始めはやっぱり・・・

さっそくコルトポケット.25とワルサーモデル9を分解した。コルト.25の方は国際ガンクラブの旧金属.25オートの機構コピーということで、スライドをいっぱいに後退させ、スライド中間にある∩型の溝から、バレルロックピンを横に抜き出すことでバレル・スライドグループが外れる。ワルサーモデル9も、バレルロックピンでの固定方法は同一だった。
コルト.25はストライカーの爪が折れ、フレーム後端のバネ受け部分の折れた箇所に代わりの支えのピンが打ち込んである。モデル9はシアの引っかかりがおかしくなっていて、バネ受けが折れたままだった。それでもエキストラクターや主要部品は健在で各ピンの脱落もなくかなり良い状態と見受けられる。

さっそくコルト.25とワルサーモデル9をバラバラに

コルト.25の方はハンマーのないストライカータイプの好例であり、かつて月刊Gun誌の本物対モデルガンの記事を読んだこともあり、なんとなくではあるがすぐに構造が理解できた。
対して、ワルサーモデル9の方は、シア・トリガースプリングを兼ねた?銅版が写真の通りねじれていて、どのようにシアをストライカーに引っ掛け、トリガーの引き切りによってリリースするのか実際に動かしてみても理解できなかったりする。残念ながら手元に説明書もない。もしもご存知の方がいらっしゃってお教えいただけましたら全くもって幸いというもの。

シア部分の組み合わせはどうなるのが正解なのか!?

まず最初にワルサーの方の面倒をみようといろいろいじっていたら、「パカリ」と割れてしまった。ポーランド語のWikipediaのサイトにWalther Model.9の記事があり、実銃は長さが4インチ、高さ3インチに満たないとても小さい銃だということが分かる。それの内部機構を旧国際.25オートライクにした組み立てモデルに実現してしまったのは凄いことだが、いかにも接着エリアや部品の強度になにかと不安がありそうな小ささである。

さっそくLSプラモガンやマルイ造るモデルガンをきれいに製作するのに欠かせない、溶着用の溶剤「アクリサンデー」を使ってきっちりと接着した。ABSがなんなく溶着する。余談だが、旧車やビンテージバイクの樹脂製ウィンカーカバーをダイヤカットのアクリサンデー板で再生することが可能である。家庭用品や電気製品の修理にも有効で重宝している。くっつけたい隙間に専用のスポイトの先で溶剤を流し込むとがっしりと一体化する。換気に注意して使用し、その後しばらく置くこと。

ABS接着といったらこれしかない

前方後円墳というか鍵穴型のストライカーばね受けの部品が折れてしまっているので、十分な強度を確保すべくフレーム後端に真鍮棒を削った物を差し込み瞬接で固定した。そのままでは見苦しいので、元のプラ部品の中を真鍮棒が通るようにくり貫いてやる。
正確な細工が必要。でも意外と簡単ナリ

きちんとはまるかチェックして、形を整えながらアクリサンデーで接着する。少し高さが高くなっているので、後で削る必要があるだろう。それにしてもストライカーをきちんと引っ掛けてリリースするシアはどうセッティングすれば良いのか・・・ストライカーバネもオリジナルでないようでなおかつサビサビなんだが。
前方後円墳部品がきちんとはまるかチェック

実際のところ手元のLSプラモデルガンは、ハンドガンタイプだけなら全種類揃った。しかもコルトパイソン8インチを除いてすべて組み立て済。その中に4と6インチがあるため、8インチ(グリップが白い成型色の)を組み立てる必要性は今のところ感じていない。
ただし、30丁を超える完成済品はもちろん当時モノのため、万遍無くプラ部品が劣化をきたしている。とくに接着部周りは樹脂の柔軟性が失われるためかひび割れや粒化が始まり、力が加わると簡単に割れるようだ。また、良く遊びよく学べの精神でしっかりと楽しんだという訳で、ジャンクと言ってはなんだが、いずれも使い込んだ感じでどこかしら欠けたりボロッと取れたりしている。有り難いことに部品の欠品は極力避けられていて、小さなカケラさえも小袋にきちんと保管されているのでそれを元に(例えばエキストラクターの形状が分かるので、亜鉛合金棒から削りだすなども含め)今後の再生を可能にするという目論見だ。

カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ

初期LS P38マイナスネジ製作編

初期エルエス(LS)プラモデルガンのワルサーP.38を某オークション(確実にバレてますね)にて入手した。大変親切な方で一切合切、とくに初期絶版の共通カートタイプで知られているP.38シークレットエージェントとコンバットマグナムまで譲って戴いたという訳。いずれも時代的に金型設計と成型の具合が芳しくなかったためか、ラインナップ上では最も玩具然とした仕上がりとなっている。そのため人気も賛否分かれると聞くが、なかなかどうして良く雰囲気を掴んでいると思う。
松尾社金型版のLS P.38シークレットエージェント(でもネジがない!)

オマケとはいえ貴重な品に感謝しつつ手直しをした。残念ながらグリップスクリューがないため是非それを再生することにした。材料は2.6×50の平べったいナベ皿頭の真鍮釘とM3×0.5ピッチのスチールナット。もちろんM3×0.5のネジ切りダイスを使う。釘の直径が3.0mm丁度だとナットに対してきっちりとした仕上がりとなるが、ダイスを使い慣れない私としては細身のφ2.6に楽にネジ切りをして、強く締めすぎないようにしてやる。それからマイナスネジの溝を掘るために、必ず目立てヤスリが必要となる。今回、ネジ部品である真鍮と鉄への黒染めにはアルミブラックを使った。

グリップパネルの厚みに合わせてカット

先端は綺麗に面取りをすることが大事

最初は長さをきちんと切ることが大切。先端を面取りするとネジの入りがうまく行く。慎重に4分の3回転切り進める都度、4分の1回転巻き戻して切子がキリッという音とともにダイスの切れ目から排出されるようにする。モノ作りを演出するかのようなキリッキリッというリズミカルな音が楽しい。

重くなる前にネジ切りオイルをきちんと注油する

真鍮はとてもネジ切りし易い

真鍮棒は柔らかく、非常に楽にネジ切りを進めることができる。さらにモリブデン入りのネジ切りオイルを適度に垂らすと回転が重くならないし綺麗なネジが切れる。

マイナス部分をマーキングする

目立てヤスリで「肝心の」マイナス溝を切る

肝心のマイナス溝は、手元のマイナスドライバーを当てつつ確認しながら、ゆっくりと切り込む。この時、ルーペでチェックするとなお良い。なお、今回はナベ皿ネジの上部を平らにして、周りに面を作るように一回り削ったため、かなりそれらしい形状にすることができた。

黒染めして完成

ともに完成したマイナスネジ

合わせてコンバットマグナムもマイナスネジを再生した。1セット製作するのに、釘とナット合わせて10円いかない。格安だ。染め色は結構茶色っぽい色になるので、ちゃんとブルーにしようと思ったら鉄釘を使うべきなのだが、釘は熱処理されており硬いためおそらく慣れないとうまくいかないと思われる。
今回は拙作のネジ製作手順を紹介させていただくために長編の投稿となったが、レトロトイガンの常として、ネジの脱落、サビによる折れ(涙)は良くあることなので真鍮ネジでの再生が愛好家諸氏の参考になれば有り難いと思う。

カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱 | コメントをどうぞ