元通り組み上げたが、最後に肝心のマガジンスプリングが抜けていたのを補完しないといけない。
バネがどんな形状だったのかわからないので、どうしたものか。南部十四年式のマガジンを参考にしようとしたが、角度が急な分スムーズな動きになりそうにない。
適当な有りもののバネを組み込むと良く分かる。

回転速度を遅くできる電動ドリルで硬質ステンレスワイヤーを巻き取り、押しバネを作るのがよかろうと思い実行する。実は今回のスプリングには0.5?0.55mmが最適なのだが手元になく、0.4mmを用いたためにかなり弱め。そのような時は巻き線の密度を高めるが、マガジン用はストロークが長くかなりいい加減な出来になった。
下のマガジンの(バネが見えていないが)0.6mmのワイヤーの場合は固めなので、3発位が装填の限度だ。

トグル動作用のレバーとファイアリングピンの構造のせいか、ブリーチがいまいち引ききれないと思った。明らかにカートを咥えるほど後退しないのだ。
戻ったら戻ったでフィーディングランプが急でショートリコイルもしているため、カートが上向きになって装填が行われない。そっとチャンバーに沿うように押し込めると大きめのエキストラクターががっちりと咥えて廃莢に移れる。

見ての通り、今のままではせっかくの金属エジェクターは飾りでしかない。ツメを長くするとブリーチのスライドを邪魔するから雰囲気だけ楽しもう。うまくするとマガジンスプリングが次弾を押し上げて弾いてくれる。

アーティラリー(砲兵用)8インチの方は同ラインナップの高級1,800円シリーズであるモーゼルC96と並べてもその威容は遜色がない。タンジェントサイトが直ったので、最遠射時の傾斜具合を見る。目盛りでは800mとか冗談みたいだが、実用(兵器のスペックは絶対ということで)だったろうから砲兵はつらい。
そういえば、スネイルマガジンとか、ショルダーストックとかも単なる流行と見る向きもあるが、塹壕戦で砲兵の守備する陣地にわらわらと突撃してくる敵兵を撃ち倒すためには不可欠と思えるあたり、モーゼルもそうだがまさに現代のベレッタM93R、スコーピオンなんかの先祖と言えるのではないだろうか。

どちらも代表的な大型の軍用拳銃だが、当時としては強力だった各カートリッジのリコイルを受け止めるための工夫が良く分かる状態を写す。
モーゼルは銃の上半分のバレルグループがズドンとショートリコールし、腔圧が安全圏に低下してからフレームに内蔵されたロックを解除、ロック解除されたボルトが後退。ここまでしてやると、ボトルネックカートは以外と弱装で、かつ、とても大型の拳銃のためにリコイルスプリングをとんでもなく強くする必要がないというアイデア。
ルガーはショートリコイル時にトグルの丸い引き手がレシーバー後部の傾斜に当たり撥ね上がってブリーチのロックが解除(直列連結したブロックがついに上に逃げる)される仕組み。思ったより華奢な3つの部品からなるトグルレバーで強度上も問題なく確実に動作するアイデア。
どちらもセミオートマチックでは文句なく面白い構造なのだが、直接、その大仰な機構を受け継いだ現代の拳銃ってどちらも無いんじゃないのかな。

かなり大型のために、LSプラモデルガン特有のすかすか度との対比からとっても軽く感じる2丁。モーゼルのブルームハンドルの方は1,800円シリーズでもありまだまだ詳しく紹介できないので、先に引っ張り出して見た。
いずれもモデルガンではメジャーなために多彩なモデルアップがなされていたが、どちらもMGCの後期モデルのコピーだったろう。実はオートでは大戦型のM1911A1やP.38とPPK、それから.380ブローニングあたりにだけ興味があったので、当時は古えの大型拳銃をまじまじと見たことがなくて、今になってその辺がよく判らないのでした。