存在感のあるグリップ、グリップメダルと丁寧な全体の黒塗装の為、まだまだ現役の風格を帯びている。正直アクションはいまひとつだが、プラ成型の厚みはがっしりとしており、リアルサイズのP.38のプラモガンを手に入れて自分の手で組み立て、日が暮れるまで振り回した日々はとても楽しかったに違いない。

ホールドオープンした状態を後ろから見たこの構図はバレルが細くスライド断面が四角形を帯びたワルサーP.38においても最も格好良く見えるものだと思う。
見えにくいがフィーディングランプは角度を考えて削られていてカートリッジの装填がスムーズに行くよう調整してある。言ってみればそれは当然の話で、LSプラモガンはいろいろな箇所を削ったりプラ棒やプラ板を貼り付けて調整することそのものが遊びだったのだから。

イジェクターがライブだがプラ製のためその弾力でうまく掴むことを意図している。これはバネを内蔵して欲しかった。空撃ちしてみるとほとんど引き出さない。センターファイアとローディングインジケータが付いているのは、当時の純正モデルガンにおいても稀有な物であって嬉しくなる。初代の設計者が既にモデルガン入門編/実銃機構の理解モデルとしての両得を狙っていたとも思える。

フロントサイトのランプ部にギザギザのセレーションが付けてある。アンクルタイプではお馴染みのカスタムサイトを模しているということか?それとも参考にしたモデルガンはミリタリータイプにも必ずセレーションが有ったのか。銃口側を覗いてもクラウンは省略されている。また、リアサイトはきれいなUノッチになっていた。

ゲシュタポタイプ(クルツ)もアンクルタイプもエージェントタイプもSS部隊、スパイ、特殊暗殺部隊の持ち物として子供ながら知識として知っており、遊びの中ではそれを持つだけでその役になり切っていたものだ。増田屋斎藤貿易のストライカーガンのPPKはリアルタイプ、リアルサイズとしてそんななり切りっ子の内ではもちろんスパイ御用達ピストルであった。並べてみてと・・・おぉドイツの科学力が集結したぞ。ほとんど実用性能があるのかというぐらい短いのだが、PPKのサイレンサーを付けてみた。P.38エージェントだからこそこのようにサイレンサーを付けることで実感が増すのだ。
