Walther Model.9(500円シリーズレストア編その2)

ワルサーモデル9のストライカースプリング受けの例の鍵穴状の部品がきっちりと固まったので、スライドの凹部に合わせて細目ヤスリで形を整える。
ツヤのある黒色で塗られているのでペイントマーカー極太の黒のペイント色でさっと塗り上げて継ぎ目・ヤスリ目を隠す。
スライド上部から覗く半円形の部品がシアなのだが、今のところこれがストライカー下部のノッチをキャッチできる位置にある訳でもなく、またトリガーを引いたところでうまく下がるように組まれていないのは問題だ。
まあ、それらしい外観かつスライドが引ける位のギミックでそこそこ楽しむのがLSプラモガンの正しい遊び方なのだと思って諦めてはいるが。
とりあえず部品は揃った

各部品を組み上げ、スライドをいっぱいに引くと、∩型のノッチ内にバレルロックピンの通る穴が見えるようになる。持っている手が痛いぞ。すかさずロックピンをセットすると、スライドを戻してもバレルが前方へ抜けなくなる。
バレルロックピンをセットできるまでスライドを引く

組みあがったのは長さ100mm・高さ70mm程のミニガンだ。これは実銃のサイズを忠実に再現している。カッティングシートの升目は50mm角なので良く分かると思う。
スライド左側の刻印は「Walther Patent Mod.9」と>WALTHER<バナーとなっている。トリガー後ろのセーフティのラッチは接着して固定されているが、その下にプルーフマーク?が再現されている。
左側の刻印を見る

スライド右側は「Mod.9」とシリアルNo.が。エキストラクタ?は厚みは薄いがなんと金属性でライブであり、ここだけでも実感がある。
フレーム後部の取って付けたような小さなセーフティのパーツは接着されている。本来はトリガーのすぐ後ろからグリップ内へトリガーバーが入り込んでいるはずだが何もない。これは、トリガーバーの金属版がコルト・ガバのそれのようにフレーム内を通っているため。
右側はモデル名とシリアル

スライドの曲線がアンティークな雰囲気を醸し出しているマズル部を見る。やはり何と言っても1900年初頭のデザインだ。LSスタンダードの筒抜けのバレルだが、聞くところによると松尾社のオリジナルの製品では、ストライカーのバネ力によって弾が発射可能だったらしい。ストライカーの前方、ファイアリングピン部分の構造を見るとなるほどと思う。
バレルはスライド上にちょこんと乗っている

バレル周りだが、ベレッタにも似ているようにも思われるがちょっと違ってスライドが覆うような構造は何もない。スライドはピン1本で根元を留められているだけだが、実銃の場合はどうやってフレームに留めてあったのだろうか。ひょっとするとおそらく直接ロウ付けのように思う。
小さいながらフロントサイトの見通しは割と良い方だろう。リアサイトまでのライン上は細かなセレーションによって反射防止になっているが、これもコルトポケットなどと同じような芸の細かさだ。ある意味、実を取るのが好きなドイツっぽくないと思うのだが。
大きくカットされたスライドトップとサイトラインのセレーション

スライドオープンすると、ぱっと見イジェクターらしきものがない。さらにスライドさせてみると・・・小さいのが右後ろにちょこんとあった。勢いよく引っぱったとしたら、イジェクト時にはストライカー内から延びるストライカーばねのガイドがイジェクターの働きをするようだ。
全長が短くアレンジされた.25AUTO弾が覗く

こうして見て来ると、ちゃんと設計はしたがあまりにもミニチュアサイズのために思い通りのギミックを組み込むことができなかった技術者の苦悩のような物が見え隠れする。
ただし、ストライカーのバネがそこそこ強く、ロック&リリースがちゃんと機能したとしたら先込めのブレットが勢い良く飛んだのではないかとも思われる。そう考え出すとLSよりも弾が飛ぶ旧版の玩具銃の方が面白かったなあ。お座敷プリンキングではなく探偵ごっこで銀玉鉄砲達と渡り合うとしたら、もうちょっと無理のないサイズと材質であればとも思った。

カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱   パーマリンク

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