500円シリーズレストア編(その1)

初代LS P.38の載っているミニカタログは以前からLSプラモデルガン愛好家の方々のWebサイトや掲示板で見かけることもあるものだが、手元にあるそのカタログを見ていて沢山ある完成品から修復を始めようとした時に、「やっぱりこれから」と思っていたのがその中の「500円シリーズ」のラインアップに既に掲載されていたポケットタイプの物である。当時最も安かったということとスパイ物で超小型のピストルは人気があったことと思われる。なにしろ私にとってはワルサーモデル9は未見だったため興味があったということが大きい。
LSプラモガン レストア三昧の手始めはやっぱり・・・

さっそくコルトポケット.25とワルサーモデル9を分解した。コルト.25の方は国際ガンクラブの旧金属.25オートの機構コピーということで、スライドをいっぱいに後退させ、スライド中間にある∩型の溝から、バレルロックピンを横に抜き出すことでバレル・スライドグループが外れる。ワルサーモデル9も、バレルロックピンでの固定方法は同一だった。
コルト.25はストライカーの爪が折れ、フレーム後端のバネ受け部分の折れた箇所に代わりの支えのピンが打ち込んである。モデル9はシアの引っかかりがおかしくなっていて、バネ受けが折れたままだった。それでもエキストラクターや主要部品は健在で各ピンの脱落もなくかなり良い状態と見受けられる。

さっそくコルト.25とワルサーモデル9をバラバラに

コルト.25の方はハンマーのないストライカータイプの好例であり、かつて月刊Gun誌の本物対モデルガンの記事を読んだこともあり、なんとなくではあるがすぐに構造が理解できた。
対して、ワルサーモデル9の方は、シア・トリガースプリングを兼ねた?銅版が写真の通りねじれていて、どのようにシアをストライカーに引っ掛け、トリガーの引き切りによってリリースするのか実際に動かしてみても理解できなかったりする。残念ながら手元に説明書もない。もしもご存知の方がいらっしゃってお教えいただけましたら全くもって幸いというもの。

シア部分の組み合わせはどうなるのが正解なのか!?

まず最初にワルサーの方の面倒をみようといろいろいじっていたら、「パカリ」と割れてしまった。ポーランド語のWikipediaのサイトにWalther Model.9の記事があり、実銃は長さが4インチ、高さ3インチに満たないとても小さい銃だということが分かる。それの内部機構を旧国際.25オートライクにした組み立てモデルに実現してしまったのは凄いことだが、いかにも接着エリアや部品の強度になにかと不安がありそうな小ささである。

さっそくLSプラモガンやマルイ造るモデルガンをきれいに製作するのに欠かせない、溶着用の溶剤「アクリサンデー」を使ってきっちりと接着した。ABSがなんなく溶着する。余談だが、旧車やビンテージバイクの樹脂製ウィンカーカバーをダイヤカットのアクリサンデー板で再生することが可能である。家庭用品や電気製品の修理にも有効で重宝している。くっつけたい隙間に専用のスポイトの先で溶剤を流し込むとがっしりと一体化する。換気に注意して使用し、その後しばらく置くこと。

ABS接着といったらこれしかない

前方後円墳というか鍵穴型のストライカーばね受けの部品が折れてしまっているので、十分な強度を確保すべくフレーム後端に真鍮棒を削った物を差し込み瞬接で固定した。そのままでは見苦しいので、元のプラ部品の中を真鍮棒が通るようにくり貫いてやる。
正確な細工が必要。でも意外と簡単ナリ

きちんとはまるかチェックして、形を整えながらアクリサンデーで接着する。少し高さが高くなっているので、後で削る必要があるだろう。それにしてもストライカーをきちんと引っ掛けてリリースするシアはどうセッティングすれば良いのか・・・ストライカーバネもオリジナルでないようでなおかつサビサビなんだが。
前方後円墳部品がきちんとはまるかチェック

実際のところ手元のLSプラモデルガンは、ハンドガンタイプだけなら全種類揃った。しかもコルトパイソン8インチを除いてすべて組み立て済。その中に4と6インチがあるため、8インチ(グリップが白い成型色の)を組み立てる必要性は今のところ感じていない。
ただし、30丁を超える完成済品はもちろん当時モノのため、万遍無くプラ部品が劣化をきたしている。とくに接着部周りは樹脂の柔軟性が失われるためかひび割れや粒化が始まり、力が加わると簡単に割れるようだ。また、良く遊びよく学べの精神でしっかりと楽しんだという訳で、ジャンクと言ってはなんだが、いずれも使い込んだ感じでどこかしら欠けたりボロッと取れたりしている。有り難いことに部品の欠品は極力避けられていて、小さなカケラさえも小袋にきちんと保管されているのでそれを元に(例えばエキストラクターの形状が分かるので、亜鉛合金棒から削りだすなども含め)今後の再生を可能にするという目論見だ。

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