初期LS P38マイナスネジ製作編

初期エルエス(LS)プラモデルガンのワルサーP.38を某オークション(確実にバレてますね)にて入手した。大変親切な方で一切合切、とくに初期絶版の共通カートタイプで知られているP.38シークレットエージェントとコンバットマグナムまで譲って戴いたという訳。いずれも時代的に金型設計と成型の具合が芳しくなかったためか、ラインナップ上では最も玩具然とした仕上がりとなっている。そのため人気も賛否分かれると聞くが、なかなかどうして良く雰囲気を掴んでいると思う。
松尾社金型版のLS P.38シークレットエージェント(でもネジがない!)

オマケとはいえ貴重な品に感謝しつつ手直しをした。残念ながらグリップスクリューがないため是非それを再生することにした。材料は2.6×50の平べったいナベ皿頭の真鍮釘とM3×0.5ピッチのスチールナット。もちろんM3×0.5のネジ切りダイスを使う。釘の直径が3.0mm丁度だとナットに対してきっちりとした仕上がりとなるが、ダイスを使い慣れない私としては細身のφ2.6に楽にネジ切りをして、強く締めすぎないようにしてやる。それからマイナスネジの溝を掘るために、必ず目立てヤスリが必要となる。今回、ネジ部品である真鍮と鉄への黒染めにはアルミブラックを使った。

グリップパネルの厚みに合わせてカット

先端は綺麗に面取りをすることが大事

最初は長さをきちんと切ることが大切。先端を面取りするとネジの入りがうまく行く。慎重に4分の3回転切り進める都度、4分の1回転巻き戻して切子がキリッという音とともにダイスの切れ目から排出されるようにする。モノ作りを演出するかのようなキリッキリッというリズミカルな音が楽しい。

重くなる前にネジ切りオイルをきちんと注油する

真鍮はとてもネジ切りし易い

真鍮棒は柔らかく、非常に楽にネジ切りを進めることができる。さらにモリブデン入りのネジ切りオイルを適度に垂らすと回転が重くならないし綺麗なネジが切れる。

マイナス部分をマーキングする

目立てヤスリで「肝心の」マイナス溝を切る

肝心のマイナス溝は、手元のマイナスドライバーを当てつつ確認しながら、ゆっくりと切り込む。この時、ルーペでチェックするとなお良い。なお、今回はナベ皿ネジの上部を平らにして、周りに面を作るように一回り削ったため、かなりそれらしい形状にすることができた。

黒染めして完成

ともに完成したマイナスネジ

合わせてコンバットマグナムもマイナスネジを再生した。1セット製作するのに、釘とナット合わせて10円いかない。格安だ。染め色は結構茶色っぽい色になるので、ちゃんとブルーにしようと思ったら鉄釘を使うべきなのだが、釘は熱処理されており硬いためおそらく慣れないとうまくいかないと思われる。
今回は拙作のネジ製作手順を紹介させていただくために長編の投稿となったが、レトロトイガンの常として、ネジの脱落、サビによる折れ(涙)は良くあることなので真鍮ネジでの再生が愛好家諸氏の参考になれば有り難いと思う。

カテゴリー: LSプラモガン, おもちゃ箱   パーマリンク

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