リプロは続くよどこまでも(ガバのシアとかの板バネ)

古いおもちゃには故障・破損が付き物で、中でもバネ(発条)というものは長い間遊べば遊ぶほど傷み、また保管環境によって時間と共に錆びを生じ易い部品の代表だ。バネが、ある日突然ポキリと折れてしまう厄介なシロモノであることは古い玩具銃をいじっている諸兄にとっては周知のことと思う。さて、文字通り身を粉にして働いてくれたバネ君の代わりをどうやって調達するかだが、以前はメーカーや同一/同系列モデルの部品取りから入手できていたが最近ではそれも困難だし、また、中古部品流用の場合は元々製造年が古いため、今後の寿命もあまり期待はできないという問題がある。そこで同形状の新品部品を求めたり使える素材からの自作をする訳で、別にミントコンディションを求めなければ遊べる状態で保存することを主眼として、趣味の部品作りにいそしむこととなる。バネ以外でヘビーな例を挙げると、削り出し部品製作のためにミニ旋盤を導入したり家庭電源の溶接機を扱われる方も見えられるようである。

本題のバネに戻ると、そんな大掛かりなこともなく何10分か手を動かせばそれなりの効果が期待できると思われるので、また何かのヒントになればと思う。素材としてはバネ鋼や燐青銅(これはハンダが効くので別の意味で便利)がすぐに思い浮かぶところだが、ステンレスが意外にバネとして使い易いのに最近気が付いた。一見ピアノ線のようなステンレス線を用いるとトーションバネ(いわゆるひげバネ)や簡易的なコイルスプリングが簡単に作れ、ステインレスの板材であればガバメントのシアスプリング形に帯状に切り出し、少し曲げてフィッティングすると完全に実用になるレベルであることが分かった。既に最近のガスガンではスプリング類をステンレス製で提供している場合の方がハガネ製の物より多いと思う。

ガバのシアSPやリボルバのリーフ式メインSP等に

スプリング用のバネ鋼は古くなると、より固く脆(もろ)くなる性質があるのか、錆びも相まってポキリと折れてしまうことが良くあるようだ。手持ちのガバのシアスプリングは、きっちり折れてしまった。そこで、工業用パイプを継ぐのに使うステンレスのバンドから、ドイツ製の金工ハサミで切り出して、ヤスリがけで整え組み込んでみた。真中が自作のステンレス製、左の茶色いのがLSガバのシアSPである。見違えるようにしなやかな動きになり、形状や厚みを変えることでトリガープルやシアのかかり方が調整できるようになった。実銃でよく行われている手法として、板バネを長方形のままではなく、糸巻き状に真中を細めにくびれさせることで、反発力を調整するやり方が知られている。例えばこのようにして柔らかめにすることで部品の磨耗が軽減できるかもしれない。

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