レミントンダブルデリンジャー(500円シリーズレストア編その6)

完全に折れてしまったハンマーだが、小学生の時にせっかく買って作ったばかりのデリンジャーをパチッ、パチッとやって遊んでいるうちに突然ポッキリと折れてしまったとしたらやはりとても悲しかったに違いない。
別に空撃ちするのはLSプラモガンではフツーの遊び方なのだが、カートを入れずにハンマーを落とすとおそらくファイアリングピン部分がカート底部に当たらないためにハンマー上部の指掛け部分がリコイルシールドの裏側に激突して、その衝撃で折れ飛ぶ勢いがこのデリンジャーの場合はある。
困ったろうしもったいない話なので、既に完成品で入手したこのデリンジャーの場合、鉄製のピンを立てて接着と焼きつぶしで溶着した形跡がある。ただ意外と瞬間的な力が加わるのでそれでも十分な強度が保てなかったようだ。
ポッキリ折れているが前所有者の方がピンを立てて直していた

同様に今回もアクリサンデーだけでは接着力が不十分で、衝撃には全く効力がなかった。新品であっても元々強度が足らず折れてしまったと思われるからだ。
そこで、ゼムクリップを伸ばしたワイヤーを芯にして接合部に強度を持たせてやる。100均の細いピンバイスで3?4mmの深めの穴を接合部品の両者に真っ直ぐになるように開ける。
0.7?0.9mmのピンバイスで2箇所穴開けする

補強のゼムクリップはヤスリで削って表面のメッキを除き、瞬間接着剤が絡むように沢山の刻みを付ける。プラ同士の接着面にはアクリサンデーを流し込み一体化させる。
補強の骨になるピンはゼムクリップを利用

2本の1cm程度の骨が入っているのでかなりの強度が出たと思うが、ハンマースプリングはモデルガン並みの物が入っておりこのままでは残念ながら空撃ちは避けたい。
また、今回はハンマーヘッド内のファイアリングピンの修復は諦めているので、その抜けたところが寂しい。
問題なくコッキングできるしリリースのショックにも耐えた

修正後、正しくハンマー上部が真っ直ぐ上に突き出た状態をサイドから見る。塗装色だけはモデルガンっぽいがピントのずれたような甘いモールドと凸型の刻印がまるで典型的なトイガンだ。

入手時、既に完成品だったのだが貫禄のある塗装でモデルガンと区別がつかない

バレルロッキングのレバーとハンマー、トリガーすべてプラ製なのが目立つ。これら可動部品の質感を高めるにはどういう仕上げをすると良いのだろうか。

裏側はシンプルなプロフィールだ

上下2連のカートリムが覗く。共通カートはセンターファイアなのでちょっと興ざめか。エキストラクターがプラ版で補強してある。LSプラモガンでは通常あまりない物なのだが、火薬を使ったように錆びを吹いた跡がまるでモデルガンのようで可笑しい。

ブレイクオープンは独特のかっこ良さ

実はオリジナルに手を加えてモデルガン並みの手製のバレルインサートが入れられており、共通カートのブレット部を外したカートリッジしか長さの関係でロードできない。おそらくはカートに紙火薬を貼り付けるなどしてファイアリングを楽しんでいたらしい。
上部バレルには(ブレットを除いた)カートしか入らない

上部バレルのインサートはかなり錆び付いており、ブラシで掃除した後、またまたホルツのラストコートを吹いて、簡単に処理をしておいた。
上部バレルには手製のインサートが入り安全対策が万全な為だ

上部にも凸型でマーキングがある。多分、発火時の強度を保つためだろう、接着剤が大量に使われているがこれも当時作ったままなのでなかなか味がある。
上部にもモデル名のマーキングがモールドされている

さらに手を入れるとしたら、バレル部分だけ最中割りをして、インサートを元どおり除いたりライフリングを再現したりして調整する必要があるか。もちろんファイアリングピンもちゃんとリプロしてからだが。
ダブルデリンジャーはプラ弾が飛ぶのとか、バッカンナーみたいな発火可能なトイガンで良く遊んだのでエルエスのは見かけても買わなかったなあと思いつついじっていたのでした。

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